私はわらじがぬがれない

わらじをはいて 十年
無実の死刑囚を救うため
わたしは ひとり ひとり
街を 村を 訴え 叫び 歩き続けた
一億もの人間がいるのだ
無実の死刑囚を孤立させてはならない
二十年先か 三十年先
いつか みんなが知って救い出してくれる
私はそれを信じて 今日も 明日も
歩く あるく 生涯 歩く
たったひとりのいのちすら 守れない世の中を
私は信じることができない
無実で死刑にならない世の中を
私は信じたい、証明したい
でなければ、私は救われない、生きられない
私はわらじがぬがれない

古川 泰龍 (1971)

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